大部屋が満室の場合も「差額ベッド代」が必要?

「病院都合」なら払わなくてもよい

親が入院となった場合に、本人や家族の希望で個室に入るのであればいいのですが、大部屋の空きがないとか、治療上の都合などにより個室となってしまうことがあります。このようなケースで、いわゆる「差額ベッド代」は必要となるのでしょうか。

差額ベッド代の正式名称は「特別療養環境室料」といいます。基本的には1〜4人の部屋に入院したときにかかる費用で、健康保険適用の範囲外で患者に請求されます。

厚生労働省の通達によると、差額ベッド代がかかるのは次のようなケースに限定されています。

  • 同意書にサインをした場合
  • 患者自らが希望した場合

つまり、もし差額ベッド代の説明を受けておらず、同意書の提示もなかったのなら、支払う必要はないということになります。

注意すべきは同意書にサインを求められたとき

では、同意書にサインするように求められたときには、どうすればいいでしょう。

経済的な事情があるのならば、「支払える余裕がない」とか「大部屋を希望します」とはっきり伝えましょう。大部屋が万章の場合は、入院を断られるかもしれません。それがこまる場合は、証拠として同意書にその旨を書き添えると、当面の料金はかかっても、空きが出た時点で大部屋に異動させてくれるでしょう。

差額ベッド代は大きな金額となるので、トラブルに発展することもあります。行政の窓口に連絡すれば、内容によっては病院を指導してくれます。

1日あたりの差額ベッド代の平均

厚生労働省の「主な選定療養に掛かる報告状況」によると、2013年7月1日現在の平均的な差額ベッド代は以下のようになっています。

  • 1人部屋: 7,563 円
  • 2人部屋: 3,065 円
  • 3人部屋: 2,812 円
  • 4人部屋: 2,346 円

差額ベッド代を払わなくても良いケース

  • 同意書に室料の記載がない
  • 同意書に患者側の署名がない
  • 救急患者、術後患者等であり、病状が危篤なために安静が必要
  • 常時監視が必要で、適時適切な看護および介助が必要
  • 免疫力が低下し、感染症に羅患するおそれがある
  • 終末期の患者で、集中治療の実施、著しい身体的・精神的苦痛を緩和する必要がある
  • MRSA 等に感染している患者であり、主治医等が他の入院患者の院内感染を防止するため、実質的に患者の洗濯によらず入院させたと認められる

(平成22年3月26日付け保医発0326号第2号厚生労働省通知より作成)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする