実例で考える:介護の費用は、いくらかかる?親の資産の聞き出し方は?

「いくらかかるか」ではなく「いくらかけるか」

介護費用はいくらかかるのか

多くの子が知りたいことでしょう。すでに説明しているように、介護保険制度を使えば、1割または2割負担でサービスを利用できます。しかし、それは利用限度額までの話。例えば、親が中程度の介護が必要(要介護3)になるとします。利用限度額は269,310 円です。1割負担 26,931 円です。

では「限度額いっぱい」で、どの程度のサービスを受けられるのでしょう。一例ですが、下記のように利用すると、およそ 25,000 円で限度額内に収まります。これで十分と考えるか、不十分と考えるかは、本人や家族のライフスタイルや価値観によって変わってきます。

   月
起床〜朝食は家族が介護     







午前 身体介護
(20〜30分) 
身体介護
(20〜30分) 
 身体介護
(20〜30分)
身体介護
(20〜30分) 
身体介護
(20〜30分) 
身体介護
(30〜60分) 
デイサービス
・昼食
・入浴
身体介護
(30〜60分) 
訪問看護
・健康チェック
・機能訓練 
デイサービス
・昼食
・入浴  
午後  身体介護
(20〜30分)
  身体介護
(20〜30分)
  身体介護
(20〜30分)
夕食〜就寝は家族が介護

もし、夜と週末をすべて家族だけで介護するのが厳しいと考えてサービスを追加すると、増やした部分は10割負担となります。土日も1時間ずつ身体介護中心の訪問介護を利用するとしましょう。自己負担だと1時間で 3,880 円。月に8回でおよそ 31,000 円アップとなります。

結局、介護にかかる費用は、「いくらかかるか」ではなく、「いくらかけるか」。予算を決めて、それ以内に抑えるという考え方です。上の表よりもサービス利用を減らせば、当然、自己負担額も減ることになります。

介護保険以外の費用もかかる

さらに、食事の宅配サービスなどを使えば、その費用も加わります。医療費やおむつ代もかかってくるでしょう。まず、資金計画を立てた上で、どのような介護をするかを考えることが重要です。

介護費用は、原則親のお金をあてる

介護という行為は子が担うことが多いですが、それはあくまで親の自立を応援するために行うこと。ですから、そこにかかる費用は、原則、親のお金をあてるようにしましょう。

親のお金をあてるとなれば、そもそも親がどれくらいのお金を持っているかを知らなければなりません。

月々の年金額や預貯金の額は?ローンは残っていないか?有価証券や自宅以外の不動産はあるか?……など、知りたいことはいろいろあります。

実際、聞き出してみたら、かなりのローンが残っていることが判明して仰天した、というような子もいました。主に以下の様な内容は確認しておきたいところです。

知っておきたい親のお金事情

  • 預貯金(キャッシュカードはある?暗証番号は知っているか?)
  • 年金 (月々の受取額は?)
  • 民間医療保険・生命保険 (保険証券の保管場所は?)
  • 不動産の保有状況
  • ローン・負債

兄弟がいる場合は、「親のお金」の情報は周知しておくことを強くおすすめします。これらの情報をだれか1人だけが知っているのは、後々大きなトラブルのもとになるのです。

聞き出すための知恵

親の試算を把握することが大切だとわかっていても、どのようにして聞き出すか、多くの子の悩みどころです。下手に聞こうとすると、「財産を狙っているのか」と親は気分を害します。

以下に聞き出すことに成功した事例をご紹介します。ダイレクトに聞いてうまくいくケースがある一方、知人の体験を話しながら聞き出すのも一案です。いずれにしろ、子が自身を心配して聞いているということが伝われば、親はおしえてくれるでしょう。

親のお金事情の訪ね方例

  • ダイレクトに聞く
    「いざというとき、どのお金を使えばいいか教えて?」
  • 他人の事例を出しながら聞き出す
    「幼なじみの◯◯のお父さんが倒れた時、入院費用などが必要なのに、どこにどんなお金があるか分からなくて困ったらしいよ」
  • 確定申告の手続きを利用する
    医療費が10万円を超えるような場合は、確定申告をすることで税金の還付を受けられる。その旨を説明し、「確定申告の手続きをしてあげるよ」と、通帳や保険証券などの金銭書類を確認する

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