介護費用節約その4:領収書は捨てちゃダメ!「世帯分離」で費用が安くなる?

医療にかかる費用の領収書は捨てちゃだめ?

重要なのは「生計が一」かどうか

その年に支払った医療費が多額になった場合に、税負担を軽減する趣旨で設けられた制度に「医療費控除」があります。自分と家族を合わせた医療費の合計が10万円を超えた部分で上限200万円までが対象になります(その年の総所得金額が200万円未満の人は総所得金額の5%の金額)。

医療費控除を申告する場合には、本人だけでなく「生計を一にする配偶者や親族」も含まれます。共働きの場合に夫婦でかかった医療費を合算して、どちらか一方で申告できるように、同居の場合は親の医療費も基本的に合算できます。

一方、別居の場合は、「生計が一」ということを証明するために、扶養かどうかが問われることになります。

医療費控除の対象になるもの

どのような費用が医療費控除の対象となるのか判断に迷うこともあります。例えば、親の入院や通院に利用するタクシー運賃、介護保険の「訪問介護サービス」や「訪問リハビリテーションサービス」などの医療系サービス一部施設サービスも対象となります。また、薬局で購入する市販の風邪薬代も対象です。分からない場合は、直接税務署に問い合わせましょう。案外親切に回答してくれるものです。

控除を受けるには、「確定申告」が必要です。前年の1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が対象。確定申告の時効は5年なので、申告を忘れていた人も、今からでも行えば還付されます。

申告するためには、日頃から医療費の領収書はしっかりのこしておくことが大切です。

医療費控除額

  • 合計所得金額が200万円以上の場合
    [医療費控除額] =
    [実際に支払った医療費の合計額] – [保険金などで補填される金額] – [10万円]
  • 合計所得金額が200万円未満の場合
    [医療費控除額] =
    [実際に支払った医療費の合計額] – [保険金などで補填される金額] – [所得金額の5%]

医療費控除の対象となるものは?

対象になるものの例

  • 医師又は歯科医師による診断または治療費用
  • 治療または療養に必要な医薬品の購入費(風をひいた場合の市販の風邪薬などの購入代金も含む)
  • あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師による施術代金
  • 医師等による診療等を受けるための通院費(バスや電車、タクシー代等)
  • 医師の診察や治療をうけるために必要な差額ベッド代

対象とならないものの例

  • 病気の予防健康増進のためのビタミン剤等の購入費
  • 疲れを癒やしたり、体調を整えるといった治療に直接関係ないマッサージ施術代金
  • 医師等による診療等を受けるための通院に要したガソリン代、駐車場代
  • 本人の都合で選んだ差額ベッド代

同居でも世帯が別なら費用は安くなる

世帯を分けることで介護の金銭負担が軽減

健康保険・介護保険の保険料、介護保険の自己負担額などは、世帯所得によって決められているものがあります。働き盛りの子が同じ世帯に暮らしていると、その親の年金収入はわずかでも高所得世帯の一員ということで、これらの料金が高くなってしまうのです。そこで、同じ屋根の下に暮らしていても「世帯分離」をして、親は「住民税の非課税世帯」になるという方法が考えられます。

世帯分離とは、住民票上の現在の世帯から世帯員の一部を分離し、世帯を分ける手続きです。「世帯変更届」を役所に提出します。「生計が一」かどうかの判断はあいまいな面もあるため、同じ屋根の下に暮らしていても認められる場合があります(自治体によって対応は異なる)。

どれくらい負担軽減できるか

では実際に世帯分離するか、しないかで、どの程度負担は変わるのでしょうか。下記は、会社員である長男夫婦と同居する82歳の母親のケースです。年金は国民年金だけですが、長男と同じ世帯だと高所得の高齢者という扱いに。そのため、介護保険料については、単独世帯と比較すると2倍近い金額となっています。

また、この母親が老人保健施設に入所するとしましょう。世帯分離後は、「居住費」「食費」の軽減措置により、こんなに負担は減ります(ただし、所得が低くても1000万円以上の預貯金がある場合は対象外。さらに2015年8月以降は、世帯分離している夫婦でも、配偶者の所得や預貯金も判断材料になります。)。

世帯分離による負担減(82歳、要介護2、会社員の長男夫婦と同居、年金金額72万円の場合)

介護保険料

年間 57,600 円   →   (世帯分離後)年間 30,000 円

入所している老人保健施設(多床室)の「居住費」「食費」

年間 105,000 円   →   (世帯分離後)年間 45,000 円

ただし、所得が低くても 1,000 万円以上の預貯金がある場合は(通帳のコピーを提出)、「居住費」「食費」の軽減措置は受けられない

年金収入だけの親で、住民税が非課税となるには…

  • 65歳以上で配偶者がいない
    公的年金等収入金額が 155万円以下(1年間)
    155 万円 – 120 万円(年金控除) = 35 万円(所得金額)
  • 65歳以上で配偶者がいない
    公的年金等収入金額が 211万円以下(1年間)
    211 万円 – 120 万円(年金控除) = 91 万円(所得金額)

*障害年金や遺族年金、恩給年金は課税の計算には含まれない。

*ただし、前年の合計所得金額が各地方自治体の定める額以下であること。
例えば東京23区では、扶養なしの場合35万円。
扶養有りの場合は35万円✕(本人・扶養者・控除対象配偶者の合計数)+21万円

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