
独居の親のことを毎日見守るには?
毎日のサービス利用で見守り
親が一人暮らしの場合、毎日何らかのサービスを導入しておくと安心です。大きな異変がなく、普段通りに生活していることの確認につながります。
子が毎日電話してもいいのですが、親は心配をかけまいと元気に振る舞い、本当のことを言わない場合が多く万全とはいえません。具合が悪くても、「いつもと変わらないよ」と返事をしてしまうのです。
とはいえ、連日サービスを導入するとなると、介護保険の利用限度額をオーバーしてしまうでしょう。そこで、よく行われているのは、介護保険のホームヘルプサービスやデイサービスを利用しない日だけ、食事の宅配サービスを利用するという方法です。以前紹介したとおり、食事の宅配サービスは手渡しにより安否確認を兼ねていることが一般的です。一言、二言であっても言葉をかわすので、異変を察知してもらえる可能性があります。異変を察知したら、家族のところに連絡する事業者もあります。そこで、帰省の際にちょっとした土産を持参して食事の宅配スタッフに渡し、コミュニケーションに役立てている子もいます。
電話やセンサーによる見守りサービスも
対面ではなく機器による「見守りサービス」にも、多くの企業が参入しています。親がポットのお湯を使った時間や回数を子の携帯電話にメールで通知するサービスや、ガスの使用料、冷蔵庫などの使用頻度を子に通知するものなどさまざまです。生活パターンに変化がないことを確認できれば、子どもは安心できます。郵便局でも、まだ地域限定ではありますが、訪問によるサービスと電話によるサービスを始めました。
しかし、ポットを使ってお茶を飲む習慣がない親に、ポットでの見守りは向かないでしょう。入浴はデイサービスで、自炊もほとんどしないという親なら、ガスの見守りサービスは不向きです。
対面か機器か、どのようなサービスだと安心感が生まれるかは、親子ごとに異なります。緊急通報サービスなどもあわせて、内容を吟味し、親子のライフスタイルに合ったサービスを選択したいものです。
親を見守るさまざまなサービス
- ホームヘルプサービス、デイサービスなど
内容:各種サービスを利用することで、サービス提供者と顔を合わせ、言葉を交わせる
提供機関:介護保険 - 見守りサービス
内容:親が普段通りに生活していることを、電気ポットやガスの利用状況、万歩計の記録などを通して、子の携帯電話に毎日連絡
提供機関:民間企業 - ホームセキュリティサービス
内容:緊急事態をトータルに見守り、いざというときは駆けつける。オプションで高齢者用の通報者ボタンも。
提供機関:民間企業 - 食事の宅配サービス
内容:食事を届ける際、「手渡し」を基本として、異変がないか確認する
提供機関:各自治体、地域のボランティア、民間企業 - 毎日電話サービス
内容:毎日もしくは週に1回など、親に電話をして、異変がないか確認する
提供機関:民間企業 - 緊急通報システム
内容:緊急時にボタンを押して通報する
提供機関:各自治体、民間企業