介護保険が成り立つしくみ

介護保険が成り立つしくみ

介護保険とは国の定めた公的な制度です。では、介護保険とは何を元に制定されているのでしょうか。公的な制度は法律を元に制定されておりまして、介護保険を制定するにあたって、用いられた法律が介護保険法なのです。

介護保険の財源は税金と保険料で折半

介護保険の財源

健康保険では、多くの被保険者が医療費の3割を負担しています。介護保険の場合、被保険者は一律に受けた介護サービスの1〜2割を負担し、残りの8〜9割は介護保険財政から支払われます。では、介護保険の財源はどうなっているのでしょうか。

上のグラフのように、介護保険の財源は、半分が税金、半分が保険料で賄われています。居宅サービスの場合、税金の半分は国の負担金で、残りは都道府県と市区町村の折半です。施設サービスの場合は都道府県の比率が高まります。

税金と同額が必要な保険料は、被保険者から徴収されます。非保険者というのは、その保険に加入している人のことで、介護保険の場合は40歳以上になったら介護保険に加入しなければなりません。

被保険者は65歳以上の国民全員(第1号被保険者)と40歳〜64歳の医療保険加入者(第2号被保険者)に分かれます。二者の分担ん比率は全国の人口比率が適用されます。(2015年現在は約2対3)
国民は税金と保険料で、二重に介護保険を支えているのです。

需要の急増で上がり続ける介護保険料

介護保険の財源は、このように分担する比率が先に決まり、総額はあとから決まります。市区町村ごとに3年単位でどれだけの介護費用が必要になるかの予測をだし、それに見合う税金の投入と保険料の徴収が行われています。

徴収される保険料は、市区町村によって異なります。介護サービスが充実して施設数も多い市区町村の保険料は高くなります。利用者が多くても高くなります。2015年〜17年の第6期は、各都道府県の平均月額保険料の基準額(65歳以上)は、6,267円から4,835円の間に分布し、約1.3倍の開きがあります。月額で一番高い自治体は、8,686円、一番低い自治体は2,800円と3倍以上の開きがあります。

介護保険の保険料は3年ごとの見直しのたびに増えてきました。全国平均で見ても、当初は2,911円だった65歳以上の保険料が、第6期では月額5,514円です。

以前に厚生労働省の資産により、2,012年度から向こう3年間の保険料は、5,200円程度に上がると発表されていました。介護保険は、高齢者の7人に1人しか利用していないにも関わらずです。

この試算は大きな反響を呼びました。当時、5,000円が負担の限界であるという声は高く、財政が持たないと判断した未酒盗政府は、財源の見直しによって、2012年度からの介護保険料の平均月額をなんとか5,000円未満におさえたのですが、2015年には、そのラインを超えたことになります。

けっこうシビアな介護保険料の徴収方法

保険料はどのように徴収されるのか、65歳以上の第1号被保険者の保険料について見てみましょう。まず市区町村が地元の実情に応じた基準額を決定します。次に本人の経済状況によって、2017年度からは基準額の0.3倍〜1.7倍の間で9段階にランク分けされます。都市部では、収入の高い人の保険料にもっと大きな格差をつけているところもあります。

こうして決まった第1号被保険者の保険料は、公的年金が年額18万円以上ある人は2ヶ月に1度の年金(老齢年金、退職年金など)から天引きされます。また、2006年からは、障害年金や遺族年金の人も天引きされるようになりました。

ところで、高齢者の介護保険料率は、毎年6月頃にならないと決まりません。そこで役所は、偶数付きの中旬に支給される年金のうち、通常4月、6月、8月分は前年度最後の2月分と同額を仮徴収し、年度後半の10月、12月、2月の本調整で調整をします。これを「特別徴収」と言います。

公的年金が年間18万円未満の人は、送付される納付書か口座振替で収めます。これが「普通徴収」で、通常7月からよ翌年3月までの間で、1年分を9ヶ月に分割して納付します。

40歳〜64歳で医療保険に加入している第2号被保険者の保険料は、会社員や公務員などの給与所得者であれば、加入している医療保険の算定方法で金額が決まり、給料から天引きされます。自営業などで国民健康保険に加入している第2号被保険者の保険料は、本人の所得に応じて市区町村が定め、国民健康保険料に上乗せして徴収されます。

市区町村は、介護保険を運営する「保険者」

介護保険制度を運営する「保険者」は、市区町村です。なかには複数の市区町村が、広域連合などを作って、介護保険事業を共同運営しているところもあります。介護保険の保険料や国と都道府県の負担金は、保険者の元に一元的に集められて介護保険事業が実施されます。名目的にはそのような概念が成り立ちますが、実際には保険者である市区町村や広域連合は、各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)に審査や支払いの実務を委託しています。

都道府県は、これらの保険者を指導・監督する立場です。また都道府県は、保険者が安定した保険財政を維持できるよう「財政安定化基金」を設置しています。これは、保険者が保険料徴収に不足を生じたり、見込みを上回る給付費が発生した時に、資金の交付や貸付を行うものです。

保険者の大切な仕事のひとつに、3年に1度「介護保険事業計画」を策定する作業があります。これは、介護保険を運営する基礎となる指針であり、公聴会や市民説明会を開き、被保険者の意見を反映して作れます。国(厚生労働省)は、介護保険事業計画のあるべき姿をガイドラインで示しています。

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