胆嚢癌に特徴的症状はありません!早期発見するために定期健康診断!

胆嚢癌は、初期の段階ではほぼ自覚症状はありません。さらに胆嚢自体が小さな臓器なので、自覚症状が出た時点で胆嚢癌の癌組織が胆嚢からあふれ出ている可能性があります。胆嚢は全摘出した後も普段通りの生活ができます。早期発見のための定期健康診断が大切です。

[Ⅰ]胆嚢ってどんな臓器?胆嚢癌ってどこにできるの?

◆胆嚢の役割は何?

胆嚢とは肝臓でつくられた胆汁をためておく西洋なしのような形をした臓器です。

胆管によって肝臓と十二指腸はつながっています。

胆管と十二指腸の交わるところを乳頭部といいます。

胆嚢は、肝臓と十二指腸を結ぶ胆管の途中にある枝分かれした胆嚢管で胆管と結ばれています。

胆汁は胆嚢に蓄えられている間に濃縮されて、胆管を通って十二指腸に分泌されます。胆汁自体には消化酵素は含まれていませんが、胆汁には脂肪の分解を手助けする役割があります。下の画像で胆嚢や胆嚢管、胆管の位置関係を確認できます。

胆嚢癌とは胆嚢や胆嚢管にできる癌のことです。「胆管にできる癌は胆管癌」、「乳頭部にできる癌のことを乳頭部癌」といいます。

胆嚢癌と胆管癌と乳頭部癌をまとめて胆道癌といいます。

[Ⅱ]胆嚢癌の原因ってあるの?

◆胆嚢癌は胆嚢にできる癌全体で見れば男女差については目立った差異はないようです。

わが国の2013年の胆のう・胆管がんの症状が出ての死亡数は男性約8,900人および女性約9,300人で、それぞれがん死亡全体の4%および6%を占めます。2011年の胆のう・胆管がんの罹患(りかん)数(全国推計値)は、男性約12,300例および女性約11,400例で、男女ともにがん罹患全体の3%を占めます。

胆石症の症状と膵胆管合流異常症という症状が胆嚢癌につながるのではないかと考えられています。

・胆石症

胆嚢癌の症例には40~70%の割合で胆石を合併することが分かっていますが、胆石症においては胆嚢癌の発生率が1~5%(無症候 胆石では1%)といわれています。これは慢性炎症や胆汁成分の変化が発生の原因と考えられています。

・膵胆管合流異常症

胆管は十二指腸に入る直前に膵管と合流しますが、この部分に先天的に異常があると本来小腸へ流れるはずの膵液が胆嚢に逆流して癌化に関与するといわれています。

胆嚢癌は、早期癌では無症状であり、進行癌になって初めて症状が出るので見つけるのが難しい腫瘍ですが、近年の健康診断や人間ドックでの腹部超音波検査(エコー)の普及で発見される頻度も向上してきています。

特定の生活習慣や食事と胆のうがんの関連については、今のところ明らかなものはありません。

胆のう腫瘤(しゅりゅう)の形状や存在範囲の評価に加えて、肝臓の内部、胆管の拡張などを調べるのに適しており、処置が必要な胆道閉塞があるかどうかの判断にとても有用です。

[Ⅲ]胆嚢癌の症状

胆嚢癌

◆胆嚢癌の症状をおさえておきましょう。

(ステージ分類については独立行政法人国立病院機構大阪医療センターを参照しました。http://www.onh.go.jp/seisaku/cancer/kakusyu/tannos.html)◆初期の胆嚢癌の場合

「ステージ0期・Ⅰ期  癌組織が胆嚢の中にとどまり、リンパ節や周囲の肝臓や胆管への浸潤が ない初期の癌の症状です。」やっかいなことに胆嚢癌の症状は初期の段階では無症状です。

したがってこのステージで胆嚢癌が見つかることはごくまれです。

⇒癌が胆嚢内にとどまっていれば胆嚢摘出手術ができます。手術が成功すれば胆嚢癌の根治手術となりますので5年生存率は90%ほどとなります。

「ステージⅢ期 癌組織が胆嚢の周囲に中等度に広がり、リンパ節(2、3群)の転移や 肝臓や胆管への広がりが明かな症例を含みます。」

「ステージⅣ期 癌組織が胆嚢の周囲に高度に広がり、リンパ節(4群)の転移や肝 臓や胆管への広がりが高度な症例や腹膜などへの転移を伴う症例を含み ます。」⇒胆嚢は非常に小さな臓器なので、いったん胆嚢癌ができるとすぐに胆嚢からあふれ出します。あふれ出した癌組織は周りの肝臓や膵臓、十二指腸といった臓器に広がってしまいます。手術で取り除く場合には摘出範囲が広範囲となり、場合によっては複数の臓器を部分摘出したりすることにもなります。患者さんの体力的負担は非常に大きいものといえます。ごくまれですが非常に広範囲の手術となるため手術中に患者さんが亡くなることがあります。

したがって手術が適応されるのは胆嚢癌の症状が出た人の20~30%くらいといわれています。

病期毎に手術など治療を受けた症例の生存率が明らかになっています。Ⅱ期以上の進行癌は0、Ⅰ期に比べ、治療成績はよくありません。

0、Ⅰ期:切除後5年生存率 90%以上

Ⅱ期:切除後5年生存率 35~45%

Ⅲ期:切除後5年生存率 15~20%

Ⅳ期:切除後5年生存率 5~7%

(1)腹痛

みぞおちや右脇腹に痛みが出ることがあります。

(2)悪心嘔吐(おうと)、体重減少など

胆のうがんに限った症状ではありませんが、これらの症状はがんの進行に伴い、出てくる可能性が高くなります。症状が長く続く場合は医師にご相談ください。

(3)黄疸(おうだん)

がんが進行してくると黄疸の症状が出ることもあります。がんが大きくなることによって胆道が狭められ、行き場のなくなった胆汁が血液中に流れ出すようになります。胆汁に含まれているビリルビンが血液中で濃度が高くなり、皮膚や目の白い部分が黄色くなります。これを閉塞(へいそく)性黄疸といいます。自分の顔色の変化を自覚することは意外と難しく、実際には以下の症状がきっかけとなり、発見に至ることが一般的です。

①白色便

胆汁が腸内に流れてこなくなると便の色が白っぽいクリーム色になります。便の色が白っぽく変化したことで、はじめて黄疸の症状に気が付くこともあります。

②黄疸尿

血液中のビリルビン濃度が高くなると、尿中に排泄(はいせつ)されることにより、尿の色が茶色っぽく、濃くなります。尿検査でビリルビンを確認することで黄疸の有無がわかります。

③かゆみ

黄疸が出ると皮膚のかゆみも同時にあらわれることが多く、これは胆汁中の胆汁酸という物質がビリルビンと一緒に血管内へ流れるためです。

[Ⅳ]胆嚢癌の症状がつらくて体験者の声を聞きたくなったら。

◆ 癌の症状が現れた患者さんの声が紹介されているサイトがあります。絶望ではなく希望をエネルギーにして、一日一日を大切に過ごされていることが熱く伝わってきます。

癌の症状が現れた方に対しても健常な方に対しても、自分自身の凜とした生き様を示してくださり、すべての人に対して優しさを伝えてくださっているようにも感じました。

これからの予防、これからの治療の道しるべとなるかもしれません。

一部引用させていただきます。

[下記5項目のうち「もしも、がんが再発したら」から抜粋しました。]

初発から6年たったときにがんが再発した。特に問題なく5年を経過し一安心していた中での出来事だった。

「複数臓器に遠隔(えんかく)転移しているので、手術はできない。根治(こんち)することは不可能で、延命を目指しての治療」と医者から言われた。

その後、セカンドオピニオン、サードオピニオンと見解を求めたが、どれも同じものだった。初発のときとは比べものにならない大きなショックを受けた。初発のときには考えなかった死を意識した。残された家族はどうなるのかとこれほど心配したことはなかった。それでも、何とかなると少しだけの希望は持ちたいと思った。それから9年、がんで失ったものは多い。でもそれ以上に得たものがある。そう感じられる今がある。

冊子(PDF版あり) 「がんになったら手にとるガイド」

冊子(PDF版あり) 「私の療養手帳」

冊子(PDF版あり) 「それぞれのがんの療養について知る」

冊子(PDF版あり) 「もしも、がんが再発したら」

ウェブサイトのみ 「患者さんの手記」

[Ⅴ]胆嚢癌の症状のまとめ

胆嚢癌の症状は上記で述べましたように、胆嚢癌特有の症状を持ちません。また、胆嚢自体が小さな臓器ですので、癌組織が胆嚢からあふれ出すのが早く、そのときになってやっと自覚症状が出てくる場合もあります。ステージ0期・Ⅰ期で発見された場合、胆嚢摘出手術により根治が可能です。

そのために、年に1度の人間ドックの利用など自分や家族を守る予防措置が大切となります。

信頼できる確かな病院で、症状がなくても定期的に予防手段を講じ、症状が出た場合も早期に治療することが大切です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする