放っておくと足がなくなっちゃう!?閉塞性動脈硬化症のまとめ

閉塞性動脈硬化症というのをご存知ですか?

閉塞性動脈硬化症は、足の血管病です。放っておくと足を切断することになることもあり、心筋梗塞などの命に関わる病気と合併することもあります。

そんな恐ろしい閉塞性動脈硬化症の検査・診断・治療法を中心にまとめました。

閉塞性動脈硬化症とは?

主に足(下肢)の動脈に動脈硬化が起こり、狭くなるか詰まるかして、足を流れる血液が不足し、それによって痛みを伴う歩行障害が起きる血管病です。重症の患者さんは、足を切断しなければならない場合もありますから、あなどれません。

閉塞性動脈硬化症は、最悪の場合足を切断しなければならない恐ろしい病気です。

発症は避けたいところですね。

歩行障害が最も典型的な症状で、間歇性跛行(かんけつせいはこう)と呼ばれています。難しい用語ですが、この血管病の診断、治療の際、よく出てきますので覚えておいてください。

「間歇性」とは、間隔をおいて、起きたり、起きなかったりすること。「跛行」とは、びっこを引くという意味で、「間歇性跛行」は、歩くことで起きたりやんだりする歩行障害のことです。

閉塞性動脈硬化症の患者さんの約30%に、上記のような歩行障害が生じるようです。

しかし、この症状は休憩すると軽くなるかなくなるので、注意が必要です。

なお、閉塞性動脈硬化症は、他の血管疾患を合併している場合もあり、胸に痛みなどの自覚症状(狭心症)や、身体の片側の運動麻(ま) 痺(ひ) (片麻痺、一過性脳虚血発作)が起きなかったかなどを確かめることも大切です。

閉塞性動脈硬化症の患者さんは、人口の1割以下ですが、70歳以上になると約20%に達するといわれ、高齢者に多い血管病です。

そして閉塞性動脈硬化症のさらに恐ろしいところは、他の血管疾患を合併している可能性があるということです。

これによって死亡することもあるので、あなどれない病気だといえます。

閉塞性動脈硬化症の原因は?

閉塞性動脈硬化症の下地となり、悪化させる危険因子はなんでしょうか。喫煙、糖尿病、高血圧症、脂質異常症、慢性腎不全などです。

喫煙者が閉塞性動脈硬化症になると、非喫煙者に比べ、間歇性跛行が生じる割合が約3倍も高まるといわれています。

糖尿病の患者さんは、そうでない患者さんに比べ、閉塞性動脈硬化症が重症化しやすく、治療のため足を切断する下肢切断率は5.10倍もアップすると報告されています。

「動脈硬化症」ですから、生活習慣が大きな原因となります。

上記にあてはまる方は、閉塞性動脈硬化症になりやすいといえますので、生活習慣を見直すようにしてください。

閉塞性動脈硬化症の検査と診断

まずは問診

気になる症状などについて確認します。

友人・家族などと一緒のスピードで歩けない、ふくらはぎなどにくる痛みがあるなど、気になる症状が、いつから・どのような時に出るのかや、既往歴・家族歴などについて確認します。

どのような症状があるのか、分かりやすくそして細かく伝えるようにしましょう。

視診

皮膚の色を見ることで、血流障害を確認します。

仰向けに寝た状態で、両足を上げ下げしていただき、左右の足の色の変化を調べる検査をします。(挙上・下垂試験)動脈硬化で血液が流れにくくなっている足は、上げると蒼白になり、下げてしばらくすると赤みが増します。

皮膚の色で血流に異常があるのかどうかが分かるのですね。

触診

足の脈拍を調べることで、動脈硬化を確認します。

足の付け根、ひざの後ろ、足の甲、くるぶしの後ろなどの動脈の脈拍の強弱を調べます。

どの部分の脈が弱くなっているかを調べることで、動脈硬化症になっている部分を探し出します。

ABPI

足の血圧と腕の血圧の比をABP(I Ankle Brachial PressureIndex、またはABI)と言います。通常、ABPI は、1以上ですが、足の血管が動脈硬化により、狭くなったり詰まったりすると、その先の血流が減少するため、足の血圧が低下し、ABPIも低下します。ABPI が0.9以下の場合、足の血流が悪くなっていると考えられます。最近、ABPI を簡単に測定できる機器が開発され、閉塞性動脈硬化症の診断に活用されています。

腕の血圧と足の血圧を比べて、足の動脈硬化症の程度を調べる方法です。

血管造影

血管に造影剤を注射してレントゲン撮影し、病変部を確認します。

血管に造影剤を注射し、レントゲン撮影します。血管のどの部分がどのくらい狭くなったり詰まったりしているのかなどを、正確に確認することができます。

この場合、血管の細部が分かりますのでどの部分で動脈硬化症が発生しているのよく分かりますね。

閉塞性動脈硬化症の治療について

禁煙で閉塞性動脈硬化症を治療

喫煙とこの動脈硬化症との因果関係ははっきりしていますので、禁煙は予防・治療の大原則です。ただし、禁煙によって足の症状が改善するという明確な根拠はなく、あくまでも進行を遅らせ、下肢切断を回避するのが目的です。

ヘビースモーカーの方にとっては苦しい治療かもしれませんが、足を切断するのとどちらがいいか考えたら禁煙できますよね。

薬物で閉塞性動脈硬化症を治療

薬物療法は足へ向かう血流を増やして症状を改善する一方、心臓や脳の血流もよくすることを目的として、抗血小板薬や血管拡張薬がよく使われています。

主なものはアスピリン、シロスタゾール、チクロピジン、ベラプロスト、サルボグラレート、リマプロスト、エイコサペンタエン酸などです。

間歇性跛行に有効とされているのは、シロスタゾールだけですが、最近、スタチンも歩行距離の延長に効果があるという報告が出ています。

心筋梗塞、狭心症、脳梗塞のリスクも下げることができます。

炭酸泉で閉塞性動脈硬化症を治療

炭酸泉療法は、人工炭酸泉発生装置で、37℃の温水中に濃度1000ppm以上の炭酸ガスを発生させ、その中に足を10.15分間つける、つまり足浴する温泉療法の一つです。現在、閉塞性動脈硬化症、特に重症下肢虚血の場合に行われています。

効果は、皮膚に浸透した炭酸ガスが直接、皮下の微小血管を拡張させたり、交感神経活動を抑制したりして末梢血管の循環をよくするからと考えられています。

こちらは何だか気持ちよさそうですね。

足の血管を広げることが重要です。

運動で閉塞性動脈硬化症を治療

初期治療として、まず行われるのが運動療法です。血液不足の足への血流を増やす一方、血液中の酸素の利用効率を高めるのが狙いです。

運動療法は、週3回行うのが普通で、回転するベルトの上を歩行するトレッドミル歩行(強度は、時速:2.4km、勾配:5%から開始)を行います〈写真4〉。ただし、患者さんの状態に応じて、運動療法室の床に描かれたコースにそって歩くトラック歩行の場合もあります。

足の痛みが少し強くなった時点で中止し、痛みがなくなったら再開します。

これを30分間繰り返して行います。

運動は、閉塞性動脈硬化症だけでなく様々な生活習慣病の予防にもなりますので、継続することが重要です。

血行再建術で閉塞性動脈硬化症を治療

血行をよくするのが血行再建術で、運動療法や薬物療法で十分な効果が得られなかった場合に行われます。カテーテル治療とバイパス手術とがあります。

カテーテル治療は、近年治療成績が著しく向上しているそうです。

また、バイパス手術は狭くなったり詰まっている箇所に人工血管を取り付ける手術になります。

患者さんに合わせて、どちららの方法で閉塞性動脈硬化症を治療するか決定します。

血管新生療法で閉塞性動脈硬化症を治療

この療法は新しい血管をつくりだし、足の血流不足を補うのが狙いで、薬物療法がきかない、血行再建術のできない患者さんに適応が考えられる方法です。わが国では現在、この治療法として患者さん自身の骨髄、または血液中の単核球の移植が、先進医療として認可され、有効であることが報告されています。

閉塞性動脈硬化症には、様々な治療法があります。

どの治療法が自分に合っているのか、担当の医師とよく相談して決定しましょう。

閉塞性動脈硬化症にならないために

いかがでしたか?

閉塞性動脈硬化症は、生活習慣を見直すことで予防ができます。

気付いたら足を切断しなければならないなんてことにならないように、今のうちから運動を積極的にしたり、禁煙したりなど対策をする必要があります。

しっかり予防していつまでも元気に過ごしましょう。

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