アフリカのみならず海外の国々にも被害をもたらしたエボラ出血熱とは

アフリカの国々に甚大な被害をもたらしたエボラ出血熱。そんなエボラ出血熱ですが、実は日本にも上陸したのではないか、と話題になったのはご存知ですか?今回はこの感染症が各国にどのような被害をもたらしたのか、そしてその現状を紹介いたします。

エボラ出血熱とは何か?

様々な国に甚大な被害をもたらし、今もその脅威にさらされている国もあります。なぜそんなに猛威を振るうことができたのか?エボラ出血熱がどのようなものなのかから、説明していきます。

感染源

一概にはっきりと断定までには至ってはおりませんが、エボラ出血熱を引き起こすエボラウイルスの自然宿主※1ですが、これはフルーツコウモリではないかと考えられています。

エジプトルーセットオオコウモリは別名をフルーツコウモリとも呼ばれ、アンズやモモ、イチジク、リンゴ、バナナなどの果実を主に食べる。このほか花や木の葉なども食べるが、果実を主に食べることから、果樹園などの農場主からは害獣として嫌われている。

毛色は褐色だが、しばしば灰色を帯びていて、雄は雌よりも体が大きい。

エジプトやエチオピアからタンザニア、南アフリカ、リベリアからガーナ、カメルーンからアンゴラなど、砂漠地帯や内陸部を省くアフリカ周辺部を取り囲むように分布している他、トルコ南部やイラン南部、オマーンやイエメン南部、サウジアラビア南東部などにも分布している。

※1

自然宿主(シゼンシュクシュ)というのは、ある特定のウイルスや細菌と共生している宿主を意味しています。共生をしているため、寄生している細菌やウイルスはその宿主に対しては無害ですが、それが別の生命体に寄生・感染すると害を及ぼすようになります。

症状

2~21日(通常7~10日程度)の潜伏期間の後、38度以上の高熱、頭痛、筋肉痛、のどの痛みなどの風邪様の症状で始まります。続いて、嘔吐、下痢や内臓機能の低下がみられ、さらに進行すると身体のいろいろな部分から出血し、死に至ります。致死率が非常に高い病気です。

エボラ出血熱の致死率

エボラ出血熱にかかると、国それぞれで偏ってはいますが、確実に50%以上の確率で死に至るとされています。加えて、医療設備が充実しているとは言えない地域ではエボラ出血熱に感染した患者の約90%が犠牲になってしまった所もいるようです。

治療方法および有効な予防

特別な治療法はありません。症状を軽くするための補液と対症療法を行い、生存の確率を高めるための治療を行います。早期に安静を保つことが有効であり、早期発見が重要と考えられています。

感染症ということで予防接種という方法が適切ではなかろうかと思いますが、今現在でどこの国でもエボラ出血熱に対する有効なワクチンは開発されていません。なので、感染症に対する予防三大原則にのっとって、水際対策のような方法でしか予防する術はありません。

初めて感染が認められた国はどこ?

いかがでしょうか?以上がエボラ出血熱の概要です。高い確率で死に至る感染症ということと、未だにこれに対する有効なワクチンが開発されていないということから、多くの犠牲者が出てしまった原因であると考えられます。また、エボラ出血熱の元となるエボラウイルスが非常に生命力が強いということも挙げられます。なんとこのウイルス、単体でも室温であれば、数日間は生き続けられると言われています。

次に、エボラ出血熱はいったいいつ頃から流行してきたのでしょうか?

コンゴ共和国

スーダン共和国

エボラ出血熱は、1976年の同時期に初めて、スーダンのンザラとコンゴ民主共和国のヤンブクの2か所で発生しました。後者は、エボラ川の近くの村で発生したため、疾患名が川の名前にちなんで名づけられました。

約40年ほど前から、発生しては主にアフリカ大陸の国々で流行してきたようです。そして、流行してきた数も20回以上と、なかなかエボラ出血熱に対する脅威は収まってはいません。

各国の被害状況

それでは、今までにどの国でエボラ出血熱の被害があったのか、経緯で見ていきましょう。大まかになりますが、以下、厚生労働省HPより抜粋です。

・1976年

コンゴ共和国-感染者数318名-うち死亡者数280名-致死率88%

スーダン共和国-感染者数284面-うち死亡者数151名-致死率53%

・1979年

スーダン共和国-感染者数34名-うち死亡者数22名-致死率65%

・1994年

ガボン共和国-感染者数52名-うち死亡者数31名-致死率60%

・1995年

コンゴ共和国-感染者数315名-うち死亡者数254名-致死率81%

・1996年

ガボン共和国-感染者数91名-うち死亡者数64名-致死率70%

南アフリカ共和国-感染者数1名-うち死亡者数1名-致死率100%

・2000年

ウガンダ共和国-感染者数425名-うち死亡者数224名-致死率53%

・2003年

コンゴ共和国-感染者数178名-うち死亡者数157名-致死率88%

・2007年

コンゴ共和国-感染者数264名-うち死亡者数187名-致死率71%

ウガンダ共和国-感染者数149名-うち死亡者数37名-致死率25%

・2012年

コンゴ共和国-感染者数57名-うち死亡者数29名-致死率51%

ウガンダ共和国-感染者数31名-うち死亡者数21名-致死率68%

このことから見えるのは今までのエボラ出血熱による被害が見られたのは、中央アフリカ諸国だけでした。

今回のエボラ出血熱はアフリカ大陸だけでは収まらなかった。

今回のエボラ出血熱の流行が過去のものと違う点は、感染範囲がアフリカ諸国のみで収まっていたのが、ヨーロッパの国、果てはアメリカ合衆国まで広まったことでした。このことから、日本でも話題に取り上げられたんですね。

世界中に衝撃をもたらしたある事件

先ほども申しあげましたが、感染はアフリカのみならず世界の先進諸国にも及びました。その中でもアメリカで感染者が発見された時は衝撃が走ったそうです。これはなぜなのかというと、エボラ出血熱のような感染症の対策が最も進んでいる国がアメリカだったからです。

幸いその後の政府のとった検疫や治療・対策が功を奏し、感染者はわずかにとどめられ、死亡者数もとても少なく済んだそうです。

この事件がもたらした影響はとても大きく、日本でも検疫方法の見直し・感染が疑われた場合のマニュアルの改正などが行われました。日本でもエボラ出血熱ではないかという疑いがかけられた方もいるようですが、現在日本でエボラ出血熱の感染は認められていません。

アメリカでそのようなことがあったことは誠に残念ではありますが、もしもこの事件が起きず、従来通りの検疫方法を日本がとっていた場合、果たして感染を未然に防ぐことは可能だったのでしょうか?

日本のエボラ出血熱に対する取り組み

エボラ出血熱に対するワクチンというのはいまだ開発がされていないという記述をいたしました。しかし、治療薬として日本の富士フィルムが開発した「アビガン錠®」が注目されています。これは、元は鳥インフルエンザウイルスに対して効果があるものとされていましたが、今回、エボラ出血熱に対する臨床試験によって、一部の患者に効果があるものと認められ使用が許可されました。

「アビガン錠」のエボラ出血熱に対する有効性が示唆されたことをふまえて富士フイルムグループは、引き続き、エボラ出血熱の感染終息に貢献するとともに、治療法確立に向けて、フランス政府やギニア政府、日本の関連当局に全面的に協力していきます。

また、日本政府は、エボラ出血熱に対して、日本の企業が開発した治療に効果の見込める薬を提供する準備があることを表明しています。富士フイルムは、日本政府と協議しながら、感染者のいる各国からの要請に応えていきます。

現在のエボラ出血熱に対する取り組み

西アフリカで現在も流行が続いているエボラ出血熱について、医学誌『ランセット』は2015年7月31日付で、エボラワクチンの候補の1つが非常に有望な結果を示しているとの暫定分析を発表した。「rVSV-EBOV」と呼ばれるワクチンで、現段階では防御率100%を記録しているという。

このワクチンの臨床試験は、国境なき医師団(MSF)がギニアで運営しているエボラ治療センターを試験場とし、世界保健機関(WHO)、ノルウェー国立公衆衛生研究所、ギニア担当局が連携して2015年3月から行っている。主な被験者は、感染者にとって身近な人びとと、感染リスクが高い治療現場の保健医療従事者だ。

まとめ

エボラ出血熱はこれまでに様々な国に対して被害をもたらし、多くに人がその犠牲となってきました。しかし、昨今の医療技術の発達により治療薬が有効であると証明され、実際の医療現場に投入されることになったり、ワクチンの開発に進展があるなど、着実にエボラ出血熱の撲滅に向けて希望の光が見えるところまで来ています。数年後には必ずエボラ出血熱で亡くなる方がいなくなる日も来るということを信じたいです。

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